【12月27日 AFP】米国を襲った冬の嵐では、26日までに9州で計47人が死亡した。うち少なくとも25人が死亡したニューヨーク州の知事は、「世紀の吹雪」が続いていると指摘。当局は、大雪により身動きが取れなくなった住民の救助を急いでいる。

 米国では23日から25日にかけ、本土48州すべてで強風による体感温度が氷点下に到達。寒波はクリスマス休暇を直撃し、各地で停電や交通の混乱を引き起こした。航空便情報サイト「フライトアウェア(FlightAware)」によると、26日には2600便以上が欠航し、ここ数日の欠航数は1万5000便を超えた。

 北東部の一部では、現在も吹雪が継続。特に被害が大きかったニューヨーク州西部のバファロー(Buffalo)市などでは、激しい雪や風で視界が奪われる「ホワイトアウト」が長時間にわたり続き、車内に閉じ込められたり雪に埋まったりした人々が相次いで遺体で発見されている。

 バファロー出身のキャシー・ホークル(Kathy Hochul)州知事は、同市を視察した際、「戦場」のような光景に衝撃を受けたとし、「これは母なる自然との戦争だ」と言明。「世紀の吹雪であることは確かだ」と述べ、悪天候が今後も続くとの見通しを示した。

 ホークル氏によると、同州西部の一部では25日夜から26日朝にかけ75センチ~1メートルの降雪があった。米国立気象局(NWS)は、バファローでは同日さらに最大35センチの雪が降ると予想。州兵などの救助隊はこれまでに、雪に覆われた車や停電した家屋から数百人を救出したが、当局によれば今も多くの人が閉じ込められたままになっている。

 バファローが位置するエリー(Erie)郡当局によると、同郡の一部では変電所の凍結により27日まで電力が復帰しない見通し。ある変電所は、5メートル以上の雪に埋もれているという。(c)AFP/Maggy DONALDSON