【1月7日 AFP】ロシアによる侵攻で電力不足に陥っているウクライナを支援しようと、リトアニアの金属加工会社が使用済みのホイールなどの自動車部品を小型ストーブに改造している。

 ロシア軍による電力インフラへの攻撃で、ウクライナの人々は寒さと暗闇の中で長時間過ごすことを強いられている。そのため、この取り組みは厳しい状況に置かれた人々にとって大きな助けとなっている。

 取り組みを行っているのは、リトアニア北部シャウリャイ(Siauliai)にある金属加工会社カルビス(Kalvis)だ。現地語で「蹄鉄(ていてつ)工」を意味する社名を持つ同社は、ウクライナの民間人と兵士の両方にストーブを送っている。

「ウクライナの人々に少しでも快適に過ごしてもらえるようベストを尽くしています」とプロジェクトの共同発起人、ロカス・ウタキスさんは言う。

 ストーブは中古ホイールのリム部分を三つ重ねて脚を付け、これにまきを入れる燃焼室と灰の受け皿、鋳鉄製のカバーと煙突が付いた構造となっている。

 同社はこれまでに約100台のストーブを完成させた。ウクライナに最前線に近いウクライナ東部のバフムート(Bakhmut)やイジューム(Izyum)でもすでに使われている。

 ストーブは従業員数十人が就業時間後に製作している他、近隣の住民も手を貸している。カルビスの職人ウタキスさんは「こんなに熱心な人たちと一緒に働けるのはうれしい」と語り、「ストーブを喜んでくれる人たちの気持ちを考えると、疲れも吹き飛びます」

 リトアニア、エストニア、ラトビアのバルト3国は、昨年2月にロシアがウクライナに侵攻して以来、ウクライナに強い連帯を表明している。数十年にわたって旧ソ連に併合されていたバルト3国は、1991年の独立宣言後、北大西洋条約機構(NATO)と欧州連合(EU)に加盟している。(c)AFP