【12月20日 AFP】(写真追加)ドイツの裁判所は20日、第2次世界大戦(World War II)中にポーランドにあったナチス・ドイツ(Nazi)の強制収容所で秘書として働いていたイルムガルド・フルヒナー(Irmgard Furchner)被告(97)に対し、1万人以上の殺害をほう助したとして執行猶予付き禁錮2年を言い渡した。

 判事は、シュトゥットホーフ(Stutthof)強制収容所で行われた「残酷で悪意に満ちた殺人」において被告が役割を担っていたと指摘した。

 フルヒナー被告は車いすで出廷。被告は当時10代だったため、少年裁判所で裁かれた。

 ナチス時代の犯罪で女性が起訴されることは、ここ数十年間なかった。被告は昨年9月の裁判開始直前、住んでいた高齢者施設から逃亡。数時間後に近くのハンブルク(Hamburg)で拘束され、5日間勾留された。

 審理最終日の今月6日に沈黙を破った被告は、「起こったことすべてについて残念に思っている」と述べていた。

 起訴状によると、被告はナチス親衛隊(SS)の命令を書き留めていたほか、書簡のやりとりを管理していた。検察側は審理で、被告の秘書業務により「収容所の円滑な運営が可能」になり、被告は「シュトゥットホーフでのすべての出来事を把握していた」と主張していた。(c)AFP