【12月23日 CNS】中国南部の広西チワン族自治区(Guangxi Zhuang Autonomous Region)南寧市(Nanning)で地下鉄などを運行する南寧軌道交通集団(Nanning Rail Transit Group)が、傘下の不動産会社の住宅販売促進のために「10年間の地下鉄無料乗車券」をプレゼントするキャンペーンを始め、話題になっている。

 南寧市の地下鉄5路線のネットワークが構築される際、11月11日から12月31日までにグループ傘下の不動産会社の住宅を購入したすべての顧客に、10年間の地下鉄無料乗車券をプレゼントするという。

 経済アナリストは「中国の不動産市場では在庫が積み上がっており、開発業者や不動産会社は在庫の削減圧力にさらされていることを示している」と分析する。

 不動産シンクタンク・易居研究院(E-House China R&D Institute)の厳躍進(Yan Yuejin)リサーチディレクターは「南寧の大胆な販売手法は在庫削減に向けた革新的な事例と考える。ただ、地下鉄は公共交通機関であり、10年もの無料乗車券のプレゼントについては議論する必要があるだろう」と話し、地下鉄の料金変更などで将来の争いのタネになる可能性があるともみている。

 市場調査会社の中指研究院(CIH Index)によると、南寧市内で新規住宅の売却までの平均期間は19か月余りに達する。不動産会社の多くは「30日間は理由がなくても注文キャンセルが可能」などと工夫を懲らして住宅を販売するようになっている。

 厳躍進氏は「(過大な在庫を抱えないように)企業はマーケティング規模の上でバランスを取るべきだ」と指摘する。また、政府の不動産政策も、不動産会社が過大な在庫を抱えないよう指導し、業界の健全な発展を促進していくべきだと訴えている。(c)CNS/JCM/AFPBB News