【12月19日 AFP】中国南西部の直轄市・重慶(Chongqing)当局は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の症状があっても「通常通り」出勤できるとする通達を出した。国営メディアの重慶日報(Chongqing Daily)が19日、報じた。

 中国ではこれまで、感染者が1人確認されただけで数千人がロックダウンの対象となってきただけに、劇的な方針転換となる。

 感染の徹底的な封じ込めを図る「ゼロコロナ」政策の突然の撤廃後、国内では感染が急拡大。当局も、感染状況の追跡はもはや「不可能」と認めた。

 こうした中、重慶日報によると、中国最大規模の人口約3200万人を抱える重慶市当局は18日、「軽度の症状のある」市、党、州の公務員は「体調や仕事の必要性に応じて、個人的な防護措置をとった上で通常通り勤務できる」と通達した。

 また、介護施設や学校、刑務所など特定の施設を除き、「不必要に」ウイルス検査を受けたり、陰性証明を求めたりしないよう市民に呼び掛けている。

 中国各地の地方政府では一般的に、新型コロナの症状がある間は自宅待機を奨励しており、重慶市の方針は大転換といえる。

 国内有数の経済拠点で6000万人以上が暮らす東部・浙江(Zhejiang)省の当局も18日、症状が軽い場合は「必要に応じて、個人的な防護策を講じることを前提に、勤務を続行できる」との方針を示した。

 中国では、複数の病院や火葬場で感染者数や死者数の急増が報告されている。また、新年や春節の休暇で、農村部での感染が拡大するとの懸念も指摘されている。(c)AFP