ブラジル代表サポ、宿敵でもアルゼンチンのW杯制覇を応援
このニュースをシェア
【12月17日 AFP】サッカーブラジル代表をこよなく愛するホセ・アルナウド・ドスサントス・ジュニオールさん(38)は、W杯カタール大会(2022 World Cup)でネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)を擁するチームを現地で応援した。しかし、母国が準々決勝でクロアチアに敗れて通算6度目のW杯制覇を逃して以降、その忠誠心を宿敵アルゼンチンに対するものへと切り替えた。
歯科医師のドスサントス・ジュニオールさんは、ブラジル・サンパウロ(Sao Paulo)へ戻った際に「熱狂的サッカーファンとして、アルゼンチンは今大会のタイトルにふさわしいと思う」と話し、13日に行われた準決勝ではアルゼンチンを応援し、同国が3-0でクロアチアに勝利して18日の決勝に進出するのを見届けた。また、母国最大の都市の街角であっても、「恥じることなく」アルゼンチンカラーの水色と白のユニホームを着ている。
元ブラジル代表のペレ(Pele)氏と元アルゼンチン代表のディエゴ・マラドーナ(Diego Maradona)氏のどちらが史上最高のサッカー選手かという永遠の議論は脇に置き、ドスサントス・ジュニオールさんは、フランスとの決勝戦ではアルビセレステ(Albiceleste、アルゼンチン代表チームの愛称)を応援することにしている。「アルゼンチンの人々は、自分たちのクラブや代表チームに関して情熱的で、何があろうとそれを貫き通す」といい、「サッカーファンなら誰でも、そうした崇高な動機を支持する」と語った。
アルゼンチンのリオネル・スカローニ(Lionel Scaloni)監督はW杯の序盤、自分のチームが勝てなかった場合は、ブラジルであろうとも優勝するのは「南米のチームであってほしい」と述べていた。
しかし、ブラジルのデータ分析機関による世論調査では、ブラジル人の33パーセントが、隣国アルゼンチンは自分たちにとって「2番目」のチームに位置づけている一方で、60パーセント以上が同国のW杯優勝を望まないと話しているという。
それでも、元ブラジル代表の中にもアルゼンチンを応援するレジェンドたちがいる。
セレソン(Selecao、ブラジル代表の愛称)として3度のW杯制覇を経験したペレ氏は、がんの治療で11月から入院しているサンパウロの病院のベッドから、アルゼンチンの準決勝での勝利とメッシの天賦の才能を祝福した。娘のケリー(Kely Nascimento)さんも、メッシへの感謝を示したGIF画像を含め、同氏が試合を観戦している様子をSNSにアップした。
2002年の日韓大会(2002 World Cup)で攻撃的MFとしてブラジルの優勝に貢献したリバウド(Rivaldo)氏は、「メッシ、君への言葉は何もない」とし、「神はご存じであり、(決勝戦が行われる)日曜日には君に王冠を授けるだろう。君はこのタイトルにふさわしい」とSNSでつづった。
一方、現役時代に「フェノメノ(Fenomeno、怪物)」の愛称で呼ばれ、リバウド氏とともにW杯制覇を果たしたロナウド(Ronaldo)氏は、フランスの勝利を予想。メッシのW杯制覇は喜ぶだろうとしながらも、「アルゼンチンのために喜ぶなんて言うほど、自分は善人ぶるつもりはない」と述べている。(c)AFP/Lujan Scarpinelli
