【12月16日 AFP】南米コロンビアでこのほど、初の縮毛矯正していない黒人女性の国家警察隊員が誕生した。人種差別撤廃を掲げる同国において、象徴的な一歩となる。

 コロンビアの国家警察隊には、黒人女性が自然にカールした髪の毛のままで任務に就くことを禁止する規則があった。

 国防省は、制服の一部となっている「ケピ帽」をかぶらず、カールした髪をなびかせて昇進式に出席したマルサ・チャベラ(Martha Chaverra)氏の画像を公開した。同氏は、同国初となる黒人の副大統領フランシア・マルケス(Francia Marquez)氏の護衛を務めている。

 チャベラ氏は14日、ブルー・ラジオ(Blu Radio)のインタビューで、自然のままの髪形について、「私たち黒人は誇りに思っている。生まれつきのものを変えなければいけないというのは、民族の多様性と私たちの健康を軽視したものだ」と話した。

 副大統領は声明で、ケピ帽は「見た目も構造的にも」アフリカ系の女性がかぶるようには設計されていないと説明した。コロンビアでは人口5000万人の10%を黒人が占めている。

 チャベラ氏は、これまでは規則に従うため「明らかに有害な薬品」が入ったクリームを使って髪の毛をのばしていたという。

 チャベラ氏と同僚は6年間にわたり制服の変更を求めていたが、最近になりマルケス氏により認められた。チャベラ氏によると、コロンビア初の左派政権入りしたマルケス氏はこの規則に驚き、国防省と調整を進めた。

 チャベラ氏は「私たちの政府は変革の真っただ中にある」と指摘。「多民族国家」になるため必要な改革が進められていると語った。(c)AFP