【9月19日 AFP】米ニュージャージー州で行われた高校生のレスリング大会で、ドレッドヘアの選手に髪を切るか試合を放棄するか選べと命じて批判を浴びていた審判について、州高校体育協会(NJSIAA)は18日、2年間の活動停止処分としたことを明らかにした。

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 NJSIAAによると、同州の学生スポーツ関係者には今後、「暗黙の偏見」に関する研修の受講が義務付けられる。

 問題となっていたのは、昨年12月18日に行われた高校レスリングの試合で、白人のアラン・マロニー(Alan Maloney)審判がアンドリュー・ジョンソン(Andrew Johnson)選手に対し、ドレッドヘアを切るか試合を放棄するか選ぶよう迫ったことだ。

 ジョンソン選手と所属チームのコーチ陣は抗議したが、最終的には不本意ながら指示に従い、コーチの一人がその場でジョンソン選手の髪をカット。試合に出場したジョンソン選手は勝利した。

 だが、このときの様子を映した動画が拡散され、「人種差別」「残酷」「屈辱的」などの批判が殺到。州公民権局が調査を開始する事態となり、その結果、NJSIAAはマロニー審判に2シーズンの活動停止処分を科すことに同意した。

 ガービア・グレウォル(Gurbir Grewal)州司法長官は、審判の処分を歓迎。「憎悪の満ち潮がわれわれの価値観を脅かしている現在、全ての生徒に選手として平等な扱いを約束するNJSIAAの支援に感謝する」と述べた。

 調査によれば、マロニー審判はジョンソン選手に対し、髪の長さとヘアカバーの利用の点でルールに違反していると主張し、試合放棄を迫っていた。ニュージャージー州ではそれまで、ドレッドヘアの選手はカバーで髪の毛を覆えば競技出場が認められていた。(c)AFP