【1月8日 AFP】サウジアラビア北西部のイスラム教の聖地メディナ(Medina)郊外には火山地帯のオアシスがある。そのオアシスの町ハイバル(Khaybar)には、かつてユダヤ人が住んでいたが、7世紀にイスラム教の預言者ムハンマド(Prophet Mohammed)の軍との戦いで敗れた。今でもこの地には、当時ユダヤ人が身を隠した要塞(ようさい)跡「ハイバルのとりで(Khaybar Fort)」がある。

 2019年に観光ビザの発給を開始したばかりの保守的なイスラム教国サウジアラビアは現在、外国人観光客の誘致に励んでいる。その一環として昨年11月、ハイバルにビジターセンターを開設し、火山ハイキングやヤシが生い茂るオアシスの泉の散策、遺跡上空のヘリコプターツアーなどを提供している。

 中でも「ハイバル火山キャンプ(Khaybar Volcano Camp)」は、山々に囲まれた宿泊棟での「通常のグランピングにはとどまらない特別な滞在」をうたい、ヒーラーによる瞑想(めいそう)なども行っている。

 一方、一帯ではフランス政府の支援で考古学的な調査・発掘プロジェクトが今も進行中で、これまでに新石器時代の集落や水路などについて新たな発見が得られている。(c)AFP/Robbie Corey-Boulet