【12月14日 CNS】中国西南部・雲南省(Yunnan)でテナガザルが生息する各地から、10月24日の「国際テナガザルの日」に合わせて数々の「朗報」が発表された。

 景東イ族自治県(Jingdong Yi Autonomous County)には無量山(Wuliangshan)と哀牢山(Ailaoshan)にそれぞれ国家級自然保護区があり、クロカンムリテナガザルの重要保護区となっている。景東管理保護局によると、無量山地域にはクロカンムリテナガザルの群れが104あり、2011年の調査と比べて17の群れが増加。安定した上昇傾向にある。

 徳宏タイ族チンポー族自治州(Dehong Dai and Jingpo Autonomous Prefecture)では、フーロックテナガザルの「十五(Shi Wu)」が10月19日に1歳の誕生日を迎えた。十五は生後わずか1か月で母親の「毛球(Mao Qiu)」から養育を放棄された。野生動物保護救助センターの職員が交代でヤギの乳を与え、夜は毛球に母乳を与えさせた。フーロックテナガザルを母乳と人の手で育てる方法が成功したのは中国で初めてのことだ。十五は生後1か月時の体重450グラムから1920グラムに増え、健康状態も良好という。

 中国科学院(Chinese Academy of Sciences)昆明(Kunming)動物研究所によると、楚雄イ族自治州(Chuxiong Yi Autonomous Prefecture)元謀県(Yuanmou)ではテナガザルの祖先で最古の化石が見つかった。700万〜800万年前のもので、2歳未満の左下外側骨の化石という。昆明動物研究所の標本館にあるテナガザルの頭蓋骨と比較し、高精度のCTスキャンを行った後、テナガザルの祖先の化石と確認された。

 雲南省林業草原局の田建宏(Tian Jianhong)副局長は「最近の10年間で雲南省の重要な野生動物と植物の保護率は83%と77%に達した。カンムリテナガザルやマクジャクなどの重点動物は着実に増加している。テナガザルやアジアゾウ、マクジャク、ウンナンシシバナザルなどの定期観察システムも確立している」と説明。今後も絶滅危惧種の保護と個体数の増加に努めるとしている。(c)CNS/JCM/AFPBB News