【12月10日 AFP】米アリゾナ州選出のキルステン・シネマ(Kyrsten Sinema)上院議員(46)は9日、与党・民主党を離党し、無所属で登録する意向を表明した。上院の勢力図は大きく変わらない見通しだが、シネマ氏と同党所属の中道派ジョー・マンチン(Joe Manchin)議員(ウェストバージニア州選出)の影響力が増す可能性がある。

 シネマ氏は地元紙アリゾナ・リパブリック(Arizona Republic)への寄稿で離党の理由について、「私はどの政党の枠にも完全に収まったことがない」と説明。「無所属になっても、私の上院での取り組みは変わらない」とした。

 民主党は今週、ジョージア州で行われた上院選決選投票で自党候補のラファエル・ウォーノック(Raphael Warnock)氏が勝利したことにより、上院で過半数の51議席を確保したばかりだった。シネマ氏の離脱により、同党と野党・共和党の議席数は50対50と同数になったが、上院議長を務めるカマラ・ハリス(Kamala Harris)副大統領が決裁票を有するため、民主党は主導権を維持している。

 上院ではこれまで、ジョー・バイデン(Joe Biden)大統領の主要政策がマンチン氏の反対により阻止される事態が相次いでいたため、ウォーノック氏の勝利はマンチン氏の影響力抑制につながるとして歓迎されていた。

 上院ではすでにバーニー・サンダース(Bernie Sanders)議員(バーモント州選出)とアンガス・キング(Angus King)議員(メーン州選出)が無所属だが、いずれも民主党系で、同党と足並みをそろえている。シネマ氏も民主党系議員となるかどうかは今のところ不明だが、共和党側にはつかないと明言している。(c)AFP