【12月9日 AFP】サッカー選手の脳の健康状態は、65歳を超えると一般の人よりも低下する傾向にあるとの研究結果が9日に発表された。

 英イーストアングリア大学(University of East Anglia)を拠点とする研究プロジェクト「SCORES」は、オンラインシステムを利用して個人の認知機能を評価し、脳の健康の衰えを監視している。

 この研究には、国内リーグのクリスタルパレス(Crystal Palace)でプレーしていたマーク・ブライト(Mark Bright)氏や、ノリッジ・シティ(Norwich City)に所属していたジェレミー・ゴス(Jeremy Goss)氏とイワン・ロバーツ(Iwan Roberts)氏ら、元プロサッカー選手145人が参加。調査では、40代から50代のグループは脳の機能が一般の人よりも優れているという検査結果が出たものの、年齢を重ねるにつれてそうではなくなることが判明したという。

 この報告に先立ち、英グラスゴー大学(University of Glasgow)のプロジェクト「FIELD」では、サッカー選手は一般の人と比べて脳の変性疾患で亡くなる可能性が3.5倍高いとの研究結果が出ていた。

 こうしたリサーチを受けて、脳振とうやヘディングを繰り返すことによる長期的な影響から選手をより一層保護することが、改めて呼び掛けられるようになった。

 現役時代の運動が引退直後の数年間は元サッカー選手たちの脳の健康に役立っている一方で、その効果は年を重ねるにつれて低下していくことも分かった。(c)AFP