【12月07日 KOREA WAVE】

MZ世代、好みは「パッケージ」海外旅行

11月7日、仁川(インチョン)国際空港第1ターミナルを移動する旅客(c)NEWSIS
11月7日、仁川(インチョン)国際空港第1ターミナルを移動する旅客(c)NEWSIS

韓国ではかつてパッケージの海外ツアーは「中高年層向き」として扱われていた。それがいま、消費の主役に躍り出たMZ世代(文末参照)の注目を集めている。

◇合理的な価格と特典

韓国の旅行最大手ハナツアーの今年10月のパッケージ旅行客数は3万430人で、前年同月比で3606%増となった。海外旅行者のうちパッケージが占める割合は半分に達し、そのうちMZ世代が30~40%を占めた。インターネットショッピングモール「インターパーク」でも10月の海外旅行パッケージの予約者のうち、31.0%が20~30代だった。

旅行会社はパッケージ商品で、MZ世代の好みに合わせ、合理的な価格と特典を提供している。自由時間・アクティビティ・交通・ツアー・美食・保険など、多様な組み合わせのパッケージ商品のほか、自由旅行のパッケージ商品も販売し、人気を得ているという。

またMZ世代を狙った異色のパッケージ商品もある。

インターパークは、知らない人との旅行を避けるMZ世代の傾向に合わせ、「私が作る旅行」というテーマで知人数人でベトナムの人気旅行地を楽しむパッケージを発売した。 旅行会社の「本当に良い旅行」はMZ世代をターゲットに、世界遺産サンティアゴ巡礼路(スペイン)の「フランスの道」を歩くパッケージ商品をはじめ、ビジネスクラスに搭乗する500万ウォン(約52万円)台の欧州旅行パッケージなどを販売している。

旅行業界関係者は「これまでのパッケージ旅行は、ショッピングと観光中心の画一的な商品が大半だった。最近はこうしたものとは差別化された商品が出てきて、MZ世代が魅力を感じている」と分析している。

(c)NEWSIS
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◇「外国行き負担」なら国内ホテル

年末に向け、韓国国内のホテル街の準備が慌ただしくなっている。クリスマスと年末イベントを控え、ホテル業界は繁忙期に入っている。

この2年間、新型コロナウイルスの影響で、各ホテルは事実上、開店休業だった。だが、今年はエンデミック(風土病化)に転換し、飲食施設や客室稼働率の制限がなくなり、ホテル業界では今年末には特需を享受できると期待が高まっている。

韓国の主要特級ホテルは、クリスマスシーズンは満室になる見通しという。

ソウル新羅(シルラ)ホテルは最近、外国人ビジネス訪問客が増えた。年末をホテルで過ごそうとするホカンス(ホテル+バカンス)族の需要も増加し、新型コロナ感染拡大時期の年末より客室予約率が高い。済州(チェジュ)新羅ホテルはクリスマスを含めた年末期間、客室80%以上の予約が完了した。

1058室を保有するソウルロッテホテルもクリスマスシーズン80~90%の客室が予約完了した。ロッテホテル関係者は「外国人観光客やビジネス訪問客が増加したうえ、MZ世代を中心に年末をホテルで過ごそうとする人々がホテルを訪れている」という。ソウルの主要ホテルも今年末、客室予約率が高まっているそうだ。

業界では、年末の国内ホテル利用はさらに増加するとの展望が広がっている。海外旅行が依然、新型コロナ以前の水準に戻っていないためだ。業界関係者は「航空券はまだ高く、ドル高も続いて、海外に出るのが容易ではない。結局、気楽な国内ホテルに足を向けることになるだろう」と見越している。

ことば MZ世代(Generation MZ)

1980年代半ばから1990年代初めにかけて生まれた「ミレニアル世代」と、それに続く1990年代後半から2010年ごろに生まれたのが「Z世代」。二つを合わせてMZ世代と呼ぶ。両者ともインターネットが普及した環境で育った「デジタルネイティブ」で、ソーシャルネットワークに積極参加するという特徴がある。

「リ・オープニング、韓国人の年末の旅」はNEWSISのキム・ドンヒョン、キム・ヘギョンの両記者が取材しました。

(c)NEWSIS/KOREA WAVE/AFPBB News