【12月8日 AFP】開催中のサッカーW杯カタール大会(2022 World Cup)は、年齢を重ねたクロアチアのスター選手が主要国際大会で優勝できる最後のチャンスと言われていたが、ベスト8進出の原動力となっているのはチーム最年少のDFヨシュコ・グヴァルディオル(Josko Gvardiol)だ。

 9日の準々決勝で破壊力あるブラジルのFW陣を止めるという困難な任務が、グヴァルディオルにとって次なる試練となる。

 20歳のグヴァルディオルは、今大会ここまで全4試合でフル出場中。0-0に終わったグループステージのベルギー戦、さらには緊迫したPK戦の末に日本を下した決勝トーナメント1回戦では、守備で素晴らしいパフォーマンスを披露した。

 昨季、ドイツ・ブンデスリーガ1部のRBライプツィヒ(RB Leipzig)で飛躍のシーズンを送ったグヴァルディオルは、スペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)やイングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)など複数のビッグクラブから関心を寄せられている。

 前月に鼻骨を折ったためフェースマスクの着用を強いられているものの、グヴァルディオルはW杯という世界最高の舞台ですべてを兼ね備えたDFとしての評判をさらに高めている。

 決勝トーナメント進出に向け、世界ランキング2位のベルギーとの試合で引き分け以上の結果を残す必要があったクロアチアだが、グヴァルディオルはさまざまなプレーができることを証明した。

 昨年の欧州選手権(UEFA Euro 2020)でクロアチアが延長戦の末スペインに3-5で敗れた際、タイミングを誤った守備でピッチに転倒してしまい、フェラン・トーレス(Ferran Torres)にチーム3点目を決められたことでグヴァルディオルは批判にさらされた。

 代表通算100試合出場のベテランDFドマゴイ・ビダ(Domagoj Vida)がベンチから試合を見守る中、クロアチアのズラトコ・ダリッチ(Zlatko Dalic)監督は、今大会でグヴァルディオルへの信用が報われる結果となっている。

 ダリッチ監督は「ヨシュコはものすごく若かった。われわれは彼のことを信頼し、信じていた。彼はライプツィヒでプレーしており、非常によくやっていた」と弁護した。

「監督のサポートなしに良い選手にはなれないと確信している」

「彼はミスをしたが、それが普通。成熟するだろう」

「ミスを繰り返すだろうが、本物の選手になるにはそれを乗り越える姿勢が必要。ヨシュコはわれわれの信頼をしっかりと正当化してくれている」 (c)AFP