【12月7日 AFP】サッカーW杯カタール大会(2022 World Cup)の決勝トーナメント1回戦で、ブラジルの選手がダンスを踊って得点を派手に喜び、さらに監督もその輪に加わったことに対して、賛否両論の声が上がっている。

 ブラジルは5日の韓国戦に4-1で大勝したが、この試合で多くの人の目を引いたのはゴールの喜び方で、選手は振り付けのあるダンスを披露した。

 これについて、かつてイングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)で主将を務め、現在は辛口で有名な解説者のロイ・キーン(Roy Keane)氏は、「あんなに踊りまくるのは見たことがない。『ストリクトリー(・カム・ダンシング<Strictly Come Dancing>)』を見ているみたいだ」とセレブによるダンスコンテストで人気の番組を引き合いに出して批判。「今目にしているものが信じられない。本当にね」と話した。「好きじゃない。相手へのリスペクトがあまり感じられないと思う」

 リシャルリソン(Richarlison)がチームの3点目を決めた後には、チッチ(Adenor Leonardo Bacchi aka Tite)監督も加わってベンチ前で得点を喜んだ。リシャルリソンは、以前からダンスの練習をしていたとコメントしている。

 61歳のチッチ監督はパフォーマンスについて擁護し、「意地悪な人間は常にいて、そういう人はあれを失礼な行為と理解するだろう」と話し、「選手には、私を少し隠してくれと言った。見えていたことは知っている」と明かした。

「ゴールや結果、内容に対する喜び以外の解釈はされたくないし、相手や(韓国を率いる)パウロ・ベント(Paulo Bento)をばかにしたかったわけではない。彼には大いに敬意を払っている」

 1994年のW杯米国大会に米国代表として出場したアレクシー・ララス(Alexi Lalas)氏は、さまざまな喜び方があっていいと話した。

 一方、リバプール(Liverpool FC)やスコットランド代表時代に激しいタックルでならし、現在は生真面目な解説者として有名なグレアム・スーネス(Graeme Souness)氏は否定派で、「ブラジルの選手とぶつかる選手が現れるのは時間の問題だ」と語っている。(c)AFP/Peter STEBBINGS