【12月6日 CGTN Japanese】中国科学院の研究チームは、世界で初めて、宇宙でイネの種子から種子までのライフサイクル培養実験を行いました。種子が実る前提条件は開花であることから、研究チームは同時に、シロイヌナズナをモデル植物として使い、微小重力が植物の開花に与える影響の研究も系統的に行いました。

 2022年7月29日に栄養液を注入して実験が始まり、11月25日に終了しました。このプロジェクトでは宇宙というステージで120日間にわたって実験を行い、シロイヌナズナとイネの種子の発芽から苗の成長、開花結実というライフサイクルの培養実験を完了しました。その間、宇宙飛行士は3回のサンプル採取を行い、サンプルは12月4日、神舟14号(Shenzhou-14)とともに地上に帰還し、北京で引き渡された後、上海の実験室に送られて、さらなる検査と分析が行われる予定です。

 実験でこれまでに分かったことは、水稲の株の形は宇宙では更にほつれ、茎の低い水稲は更に低くなり、茎の高い水稲の高さは明らかな影響を受けていないこと。水稲の開花までの時間は地上よりやや短めでしたが、胚乳が乳状になる(実が入る)には10日以上余計に時間がかかり、大部分の穎(えい)の殻は閉じることができなかったことです。宇宙では稲の再生実験も行い、種子も採取しました。イネの株を切ってから20日後に、新たに2本の稲穂が現れました。これは、宇宙の狭い閉鎖環境の中で稲の再生が可能なことを裏付けています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News