【12月5日 AFP】国際労働機関(ILO)のジルベール・ウングボ(Gilbert Houngbo)局長は4日、サッカーW杯カタール大会(2022 World Cup)が厳しい批判にさらされたことを受け、国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ(Gianni Infantino)会長に対して今後のW杯開催地に対する監視の役割を強化するよう求めた。

 ウングボ局長はインファンティーノ会長との会合を前に「二重基準」の犠牲者であるカタールは著しい進歩を見せているものの、移民労働者に関してまだまだ改善の余地があるとAFPに明かし、ILOは将来のW杯立候補国に「適切な注意」を行う役割を求めていると述べた。

 カタールでは労働者の権利が何年も批判されており、巨大建設プロジェクトでの死亡に関する論争から、未払い賃金や中東における過酷な夏の労働に至るまで、FIFAは強まる圧力に直面している。

 ウングボ局長はまた「FIFAは今後のW杯や次の管轄大会で、社会的な問題や労働者の基準尊重の問題が、選定において重要なものになるよう、固く決意している」ことを、信じていると語った。

 すでに国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)と連携しているFIFAは会合の後、ILOとの覚書に関する話し合いはまだ完全なものではないと述べた。

 インファンティーノ会長は発表文の中で「何年にもわたりILOと関わり合っており、今後も実りある提携を続けていきたい」と記した。

 2026年のW杯(2026 World Cup)は米国、カナダ、メキシコの共催になるが、ウングボ局長は「理論上は一切問題がないが、警戒を怠るわけではない」と話した。(c)AFP/Tim Witcher and Raphaelle Peltier