W杯控えるカタールの労働者、苦情トップは賃金未払い 国連
発信地:ドーハ/カタール
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【11月2日 AFP】国連(UN)の国際労働機関(ILO)は1日、サッカーW杯カタール大会(2022 World Cup)開幕まで19日となる中で報告書を発表し、移民労働者からの苦情は増加しており、その大半を賃金の未払いが占めていると明かした。
ILOは、オンラインの相談プラットフォームを立ち上げたところ、労働者からの苦情は1年間で2倍となる3万4425件に増えたと述べ、人権問題への批判を受けてカタールが始めた改革をさらに加速させるよう呼びかけた。
報告書の中で、ILOは「苦情の原因は主に賃金の不払いと契約終了時の手当、与えられなかったり、支払われなかったりした有給休暇に関するものだった」と述べ、さらに労働裁判に持ち込まれたものは1万500件あり、そのほぼすべてで裁判官は労働者を支持したと続けた。
一方で、カタールの酷暑に関連した問題で治療を受けた労働者の数は、2021年に新たな規制が導入された後は減少したという。この夏に四つの診療所が治療した労働者は351人で、2021年の620人、2020年の1520人から減った。
ILOは、カタールが「大規模」な改革を行った結果「多くの労働者の労働・生活条件が改善」し、全土に影響していると述べた。その上で「労働改革を本格的に推し進めるには、さらに多くのことを行う必要があるというのが普遍的な認識だ」と記した。(c)AFP