【12月6日 CNS】先日、サッカーW杯カタール大会(2022 World Cup)が開幕した。「優勝トロフィー」の獲得者は、常に最大のサスペンスであり、大会の終わりまで分からないことだ。しかし、上海市から300キロ近く離れた中国東部の小都市、義烏市(Yiwu)では、雑貨メーカーがその謎をいくぶんか知っている。義烏は「世界のスーパーマーケット」と呼ばれ、過去のW杯でも関連グッズの生産が盛んだった。試合に勝つと、勝利チームの関連グッズの需要が急増し、義烏の事業者は手持ちの注文数から優勝候補のチームを見抜くことができるのだ。

 サッカーボールからユニホームに至るまで、トップ32の旗からトロフィーの置物に至るまで、「メード・イン・義烏」はカタールW杯関連グッズの市場シェアの70%を占めている。2022年4月以降、義烏の事業者は、W杯関連の対外貿易の注文を相次いで受けており、その大部分がパナマ、アルゼンチン、米国から来ているという。関係者の話では、2022年上半期の受注は基本的に2021年全体と同じで、下半期の受注はまだ集計されていないが、全体としては2021年の2倍以上の売り上げがあるだろうとのことだ。

「義烏でのW杯関連グッズの受注急増は、実は中国の製造業全体が支えている」。商務部研究院国際市場研究所の白明(Bai Ming)副所長は、スポーツ関連グッズの生産はタイムリーに対応する必要があるとみている。事業者は優勝者を予測し、勝利チームの商品を事前に生産し、それを質・量ともに保証させる。義烏はそれができるから、「もうけの将来性」があるのだ。

 製品が安価で良質であることはもちろん、スムーズな物流も同様に重要だ。義烏からカタールまでの直線距離は6740キロで、物流会社が開設したW杯の海運専用ルートを利用すれば、最速で20日以内にカタールに届けることができる。

 競技場の建設では、ルサイル・スタジアム(Lusail Stadium)は今回のW杯のメイン会場で、8万人の観客を収容できる世界最大のW杯のメイン会場でもある。その設計も施工も中国企業が担った。競技場の設計基準、施工の難度は共に高かったが、数々の世界最高記録を樹立した。ルサイル・スタジアムは世界最大径間の278メートルの二層ケーブルネット屋根ぶきのモノコック構造の建物だ。

 スタジアムの大型スクリーンは、観客の観戦体験に直結する。中国企業は、W杯の八つの競技場に約2000平方メートルのLEDスクリーンを設置した。カタールの気温や日差しの強さを考慮し、中国のデザイナーはスクリーンに特殊な処理を施し、放熱性を高めた。また、観客全員があらゆる角度から映像を見られるように、視認性を向上させた。(c)CNS/JCM/AFPBB News