【12月4日 AFP】サッカーW杯カタール大会(2022 World Cup)では、アフリカ勢の奮闘が目立っている。

 前回ロシア大会では、決勝トーナメント制が導入された1986年メキシコ大会以降初めて、16強に1チームも入れなかったが、今回はアルジェリアとナイジェリアが勝ち進んだ2014年ブラジル大会に続き、モロッコとセネガルの2チームがグループを突破した。またグループステージで獲得した合計24ポイントは、1998年フランス大会の15ポイントを上回る最多記録となった。

 モロッコはFIFAランキング2位のベルギーとカナダを下してグループFを首位通過。セネガルは初戦でオランダに敗れたところから巻き返し、カタールとエクアドルを下して勝ち上がった。カメルーンは敗退したが、ブラジルを1-0で破って同国に勝利した初めてのアフリカ勢となり、胸を張って大会を後にした。

 36年ぶりに決勝トーナメントに進出したモロッコは、6日の1回戦でスペインと対戦する。チームを率いるワリド・レグラギ(Walid Regragui)監督は、「アフリカサッカーという旗を高く掲げたい」と意気込む。

「われわれはよく、水準以下で他地域ほど優れていないという評価をされてきた。しかし今回のW杯では、欧州勢でも南米勢でも、どんな相手とも張り合えるところを見せていると思う」

「このことが、将来もっと多くのアフリカ勢がW杯で好成績を残し、アフリカからW杯チャンピオンが出る兆候であってほしい」

 米国、カナダ、メキシコ共催の2026年大会では、本大会の出場国が32チームから48チームに拡大され、アフリカの出場枠も増える。今大会では実現しなくとも、遠からず大陸初のW杯ベスト4入り国が生まれることが期待されている。

 グループステージで敗退したチームも爪痕を残した。チュニジアはフランスから1-0の金星を挙げ、カメルーンはセルビアと3-3の打ち合いを演じてW杯連敗を8試合で止めると、優勝5回のブラジルを撃破した。

 個々の選手も欧州のクラブで活躍するケースが増えている。モハメド・サラー(Mohamed Salah)とサディオ・マネ(Sadio Mane)は今大会にいないが、明らかに好循環が生まれている。

 レグラギ監督も「われわれには欧州のクラブでプレーする選手がいる。われわれは欧州的な考えを取り込み、それを自分たちのものにしなくてはならない」と話している。

 W杯は4大会連続で欧州のチームが制しており、決勝進出国も欧州勢と南米勢で占められている。決勝へはあと3勝と道のりはまだ長いが、アフリカ勢はブラジル大会に続き、期待の持てる2チームを決勝トーナメントに送り込んでいる。(c)AFP/Jed Court