【12月02日 KOREA WAVE】

 コラム 

MONEYTODAYエディター キム・ゴグムピョン

ステージを埋め尽くしたLEDが立体美を披露する(写真提供=Insight Entertainment)(c)MONEYTODAY
ステージを埋め尽くしたLEDが立体美を披露する(写真提供=Insight Entertainment)(c)MONEYTODAY

「歌王」チョー・ヨンピルの公演にはいつも次の3つがない。

まずゲストだ。

ゲストは、大変なステージの合間に休息の時間を与えてくれる。だが、チョー・ヨンピルがゲストを迎え入れることはない。ヒット曲があまりにも多い歌手として仕方ない部分であり、ステージで一貫性を保つために耐えるべき側面もある。

二つ目は、コメントやイベントがほとんどないこと。

今回のステージでも、コメントはわずか2回。「皆さん、お元気でしたか」の挨拶と「この曲、大丈夫ですか?」という反応だけだった。

彼はコンサートを「歌手が持つすべてを注ぎ込む場所」と定義する。「トップ歌手」となった彼が突然、放送からライブに移った1990年代初めからずっと貫いてきた信念でもある。

チョー・ヨンピルは自身を常に「面白くない歌手」と描写し、すべてをステージに集中させてきた。

第3に、ハウリング(音響雑音)がない。

韓国内外の有名歌手が出演する蚕室(チャムシル)メインスタジアム(5万席)ではハウリングは避けられない。エルトン・ジョンもメタリカも客席後部からのハウリングを抑えるのに苦労した。

チョー・ヨンピルは音響には格別のこわだりがある。何度となくインタビューをした際にも「前日、その前日と、常に音響を修正している」と話していた。この日も、会場内はもちろん、入り口の外でも、音が割れたり、耳障りな残響を耳にしたり、ということはなかった。

優れたコンサートとは音響の勝負だ。それは結局、ミュージシャン側の絶え間ない学習・努力の領域だということを知らせるわけだ。

(c)MONEYTODAY/KOREA WAVE/AFPBB News