【12月2日 AFP】フィンランドのサンナ・マリン(Sanna Marin)首相は2日、訪問先のオーストラリアで、ウクライナ侵攻への対応を迫られた欧州について、「容赦なく率直に言えば、十分な力を持っていない。米国がいなければ困難に直面していただろう」との見解を示した。

 シドニーのシンクタンク「ローウィー研究所(Lowy Institute)」で講演したマリン氏は、ロシアによるウクライナ侵攻と一部領土の占領により、欧州の脆弱(ぜいじゃく)性と対ロ戦略の失敗が露呈したと指摘した。

 マリン氏は、ウクライナが戦争に勝利するために西側諸国は「あらゆる手段を取るべきだ」と主張。ロシアの進撃を抑えるためのウクライナへの支援で、米国が兵器や資金、人道援助で極めて重要な役割を果たしたと述べ、「欧州の防衛や防衛産業に関しても、こういった面で能力を増強していかなければならず、多様な状況に対応できるようにする必要がある」との認識を示した。

 一方、ロシアとの経済面での協力関係が戦争を抑止するとの欧州の考え方は「完全に間違っていたことが示された」とし、「経済的な結び付きも制裁も、ロシアは意に介さない」と述べた。(c)AFP