【11月29日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)の重鎮ロス・ブラウン(Ross Brawn)氏が28日、マネジング・ディレクターを引退してF1界を去ることを表明した。同氏は2017年、米リバティメディア(Liberty Media)が興行主となってから同職を務めていた。

 前週68歳の誕生日を迎えたブラウン氏は、F1の公式サイトで「F1での私の時間が終わりを迎えようとしている」とし、「今が引退する適切な時期だ」と述べた。リバティメディアについては「F1の経済面は理解していたが、競技面のことはあまり分かっていなかった」と振り返り、「当初彼らは、F1での経験が豊富な人材を求めており、私にアプローチしてきた」と明かした。

 さらに「私が興味を持ったのは、このスポーツを別の視点から発展させる取り組みができるかどうか、すなわち、どのようにしてレースを改革できるのか? ということだった。その点は成功した」とし、「F1を新たな道のりへ導いた」と自負した。

 ブラウン氏は1992年から1996年まで当時のベネトン・フォーミュラ(Benetton Formula)でテクニカル・ディレクターを務め、1994年と1995年にはミハエル・シューマッハ(Michael Schumacher)のドライバーズ選手権制覇に貢献。フェラーリ(Ferrari)でも1997年から2007年まで同職を務め、さらにシューマッハを5度の年間優勝に導いた。

 その後、BARホンダ(BAR Honda)を買収して2009年にはブラウンGP(Brawn GP)を設立し、ジェンソン・バトン(Jenson Button)がドライバーズタイトルを獲得。自らの名前を冠したチームはこの1年のみで、翌シーズンはメルセデスGP(Mercedes GP)が運営を引き継いだ。

 2013年まで同チームの代表にとどまったブラウン氏は「これからはソファでF1を観戦し、F1ファンの一人として、応援したり罵倒したりするつもりだ」と語った。(c)AFP