【11月29日 AFP】サッカーW杯カタール大会(2022 World Cup)に出場している米国代表のグレッグ・バーハルター(Gregg Berhalter)監督は28日、イランとのグループB最終戦に備える中で、一部デザインが改変されたイラン国旗が米国サッカー連盟(USSF)のSNSアカウントに投稿されて騒動になったことを謝罪した。

 USSFは前週末、イラン人女性の権利を求める抗議デモへの連帯を示すものだとして、連盟のSNSに国章がないイラン国旗の画像を投稿し、騒動を巻き起こした。イランサッカー連盟(FFIRI)が国際サッカー連盟(FIFA)に米国チームへの処分を求めたことを受け、その後画像は削除された。

 バーハルター監督はこの日、問題の投稿について米国の選手やコーチ陣は知らなかったと主張し、29日にベスト16入りを懸けて激突する両チームをめぐる緊張感を鎮めようとした。記者会見では「われわれにはコントロールできないこともある」とし、「こうした外野の物事には関わっていない。われわれにできるのは選手やスタッフを代表して謝罪することだけだが、チームは関わっていなかった」と述べた。

「もちろん、われわれの思いはイランの人々や国全体、そして皆さんとともにある。しかし、今はこの試合に集中している」とも語ったバーハルター監督。米国とイランをめぐるピッチ外での激動の歴史は、チームが試合に備える上で全く関係ないと強調した。

 米国とイランは1979年のイラン革命後に国交を断絶して以来、40年以上にわたって政治的敵対関係が続いている。両チームにとってわずか3度目の対戦となる29日の一戦は、勝てば決勝トーナメント進出、負ければ敗退というこれまでにないものが懸かっている。(c)AFP/Rob Woollard