【11月27日 AFP】台湾で26日、22市県の市長や知事らを選ぶ統一地方選挙が投開票され、与党・民主進歩党(民進党)は、台北市など主要都市で首長ポストを落として敗北した。蔡英文(Tsai Ing-wen)総統は、党主席(党首)を辞任すると表明した。総統職にはとどまる。

 民進党は、台北を含む直轄6市のうち4市で敗北。獲得した首長ポストは5市県にとどまった。一方、親中派とされる最大野党・国民党は、13市県を得た。

 中国が台湾への圧力を強める中、蔡氏は選挙戦で「自由と民主主義の擁護に向けた台湾の粘り強さと決意」を示す場になると訴えてきたが、有権者に届かなかった。

 蔡氏は記者会見し、「期待通りの結果にならなかった。私がすべての責任を負うべきであり、直ちに党主席を辞任する」と述べた。その上で「嘆いている暇はない。倒れても立ち上がらなければならない。現在の国際情勢と未来の課題に直面する台湾に、ためらっている余地はない」と訴えた。

 台湾問題に詳しいオーストラリア国立大学(Australian National University)の宋文笛(Wen-Ti Sung)氏は、統一地方選では各地域の課題が争点となるため、2024年の総統選への影響は限定的だと指摘。「今回あまり争点とならなかった中国政策は、24年には重視されるだろう。統一地方選挙と総統選挙は別物だ」とAFPに語った。

 前回の18年統一地方選でも民進党が敗北し、蔡氏は党主席をいったん辞任したが、20年総統選で地滑り的な再選を果たしている。

 統一地方選と同時に、選挙権年齢を現行の20歳以上から18歳以上に引き下げる憲法改正の是非を問う住民投票も行われたが、支持は得られなかった。(c)AFP