■「死を待つのみ」

 コルウェジから数キロ離れた場所に、管理がほぼ放棄された住宅地がある。採掘拡大に伴い、補償を受け取って居住区から退去したらどうなるのか、この住宅地の現状を警告と受け止める人もいる。

 ルザンガ・ムテバさん(78)は2017年、中国企業の剛果東方国際鉱業(CDM)からの要請を受け入れ、生まれ故郷のカスロ(Kasulo)地区を離れることにした。

 同地区の一部は、コバルト鉱山開発のために破壊された。周辺では、多くの住民が自宅の庭を掘って鉱物を採取している。

 CDMはカスロ地区からの退去者向けに、住宅21戸を建設。しかし入居者は、同社が工事を未完のまま放棄したと訴えている。近隣の鉱山への送電線が上を通っているにもかかわらず、住宅地には水道や電気も通っていない。現在、人が住んでいるのはわずか数軒しかない。ムテバさんは、CDMに工事を完了するよう求めている。

 ムテバさんは「(同社は)われわれの鉱物を奪って発展させている」と憤った。政府に何度か陳情したものの効果はなく、希望を失いつつあるという。「私はただ死を待つのみだ」

 AFPは、中国・上海に本社を置くコバルト大手で、COMMUSとCDMの両社の株式の過半数を所有する浙江華友鈷業(Zhejiang Huayou Cobalt)に質問したが、回答は得られなかった。(c)AFP/Emmet Livingstone, with Lucien Kahozi