【11月24日 AFP】世界保健機関(WHO)と米疾病対策センター(CDC)は23日、世界の麻疹(はしか)ワクチン未接種の子どもは、2021年は過去最多の約4000万人だったとする報告書を発表した。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、予防接種事業が一時中断したためと説明している。

 WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は、新型コロナワクチンが記録的な速さで開発・配布された一方、皮肉にも定期予防接種が著しい影響を受け、数千万人が危険にさらされていると指摘した。

 麻疹は予防接種でほぼ確実に予防できるが、感染力が非常に強い。このため国内に土着する麻疹ウイルスによる感染が3年間確認されない「排除状態」を達成するには、人口の約95%が2回以上の予防接種を受け、集団免疫を獲得しなければならない。

 しかし報告書によると、21年の世界の麻疹ワクチン接種率は、初回が08年以降で最低の81%、2回目が71%だった。

 WHOとCDCは予防接種率の低下について、麻疹根絶の取り組みにとって大きな後退だと警鐘を鳴らしている。(c)AFP