ロケット残骸強奪疑惑で中国に説明要求 比大統領
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【11月22日 AFP】フィリピンのフェルディナンド・マルコス(Ferdinand Marcos)大統領は22日、南シナ海(South China Sea)に落下したロケットの残骸を中国当局が比軍から強奪したとされる問題で、なぜ中国側が「より穏便な」報告をしたのか、中国側に説明を求める方針を明らかにした。
比海軍高官は21日、同軍が南シナ海の南沙諸島(スプラトリー諸島、Spratly Islands)沖に落下したロケットのフェアリング(大気圏外到達後に切り離される覆い)を回収していたところ、中国海警局(沿岸警備隊)がこれを「力ずく」で奪ったと非難。これに対し中国側は、「友好的な話し合い」を経て引き渡しが行われたと主張した。
マルコス大統領は記者団を前に、「比海軍の報告と中国側の報告が一致しない」と指摘。「私は自国海軍に全幅の信頼を置いており、海軍がこれが起きたことだと言うのなら、私はそれが起きたと信用するのみだ」と述べた。
大統領はさらに、「なぜ中国側の報告がこれほど異なり、より穏便なのか」を問うため、中国政府に対し外交文書を送付する意向を表明した。
比国家安全保障顧問は22日、海軍兵がパグアサ島(Pag-asa Island、中国名:中業島、Thitu Island)の駐屯地に向かってロケットの残骸をえい航していたところ、付近で「数回の発砲音が聞こえた」との証言もあると明らかにした。
マルコス氏は「アジア太平洋地域での状況の過熱ぶりを見ると、小さなミスや誤解が大ごとに発展しかねない」と警鐘を鳴らした。
その上で、来年1月に予定されている訪中が、さらなる問題を回避する道を模索する機会になり得るとの見方を示し、「われわれは何らかの枠組みを設けることを望んでいる。再発防止の道を見いだす必要がある」と述べた。(c)AFP