【11月27日 AFP】インドは今後数十年間で、都市人口の爆発的増加に見舞われると予想されている。すでに各地の都市は人口増加に対応できなくなっている上、気候変動が生活環境の悪化に拍車を掛けている。

 インド最大級の都市ムンバイの人口は過去30年間で約800万人増え、2000万人に達している。予想では、2035年までにさらに700万人増加するとされている。

 国内の他の大都市同様、ムンバイでは住宅や輸送、上下水道、廃棄物処理などのインフラが人口増加ペースに追い付けず、住民の約40%はスラムに住んでいる。

 国連(UN)の推計では、インドの人口は2060年代にピークを迎え、その数は17億人に達する。

 中でも都市人口は2040年までに2億7000万人増え、それに伴い炭素排出量の増加が見込まれると国際エネルギー機関(IEA)は指摘している。

 インドの大都市での生活には、過密人口、インフラの未整備、大気や水の汚染、騒音といった社会問題がつきものだ。

 インド政府の昨年の報告書によると、都心部の1日当たりの下水数十億リットルのうち約70%が未処理のまま排出されている。

 英医学誌ランセット(Lancet)に発表された研究によると、毎冬、激しい大気汚染に見舞われる人口約2000万人の首都ニューデリーでは、大気汚染に起因する早死者が2019年には1万7500人に上った。(c)AFP/Glenda Kwek with Simon Sturdee in New Delhi