【11月21日 AFP】サッカーW杯カタール大会(2022 World Cup)の開幕を宣言した開催国のタミム・ビン・ハマド・サーニ(Tamim bin Hamad al-Thani)首長は20日、10年以上の論争を経て実現した大会を「文明的なコミュニケーション」の場とするよう求めた。

 遊牧民ベドウィン(Bedouin)のテントからデザインの着想を得たスタジアムで手の込んだダンスが披露された後、首長は満員となった6万人の観客に向け「異なる人種、国籍、信条、志向の人たちがここカタール、そして世界中のスクリーンの周りに集まり、同じエキサイティングな瞬間を共有します」と語りかけた。

 国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ(Gianni Infantino)会長やサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子(Crown Prince Mohammed bin Salman)が見守る中、首長は「神の意志の下、この人類と文明的なコミュニケーションのために開かれた空間で、われわれは全世界の人々と共に素晴らしいサッカーの祭典を追いかけます」と続けた。

 開会式はW杯のために総工費65億ドル(約9100億円)をかけて新たに建設された七つの会場のうちの一つであるアルベイト・スタジアム(Al Bayt Stadium)で行われ、米俳優のモーガン・フリーマン(Morgan Freeman)が多様性に関するメッセージを発した。

 また、生まれつきの希少疾患である尾部退行症候群を患うカタールの障害者運動家、ガニム・アル・ムフタハ(Ghanim Al-Muftah)さんもフリーマンと共に登場して、観客に「誰でも歓迎します」と語りかけた。(c)AFP