【11月20日 AFP】台湾の台北市立動物園(Taipei City Zoo)は19日、中国から14年前に贈られた雄のパンダ「団団(トゥアントゥアン)」(18歳)が死んだと発表した。8月から体調を崩し、検査で脳に異変が見つかっていた。

 団団は、けいれんの発作や無気力症状を繰り返し示すようになり、動物園側が抗けいれん薬を投与するなどの治療を行ってきた。先月、脳腫瘍の疑いがあるとして緩和ケアに移行。ここ数日は発作の回数が増え、薬物投与でも症状を抑えられない状態だった。

 動物園によると、獣医師チームが19日朝、団団を麻酔で眠らせて改めて検査。「回復の見込みなし」との診断結果が出たことから、昏睡(こんすい)状態のまま死なせることを決定したという。

 ソーシャルメディアには、団団を追悼する投稿が相次いだ。台北市の柯文哲(Ko Wen-je)市長は、インスタグラム(Instagram)に「台湾の人々に幸せをもたらし、台北動物園の魅力を高めてくれた」と書き込んだ。

 団団は台中関係が比較的良好だった2008年に、雌の「円円(ユエンユエン)」と共に中国政府から贈られた。2頭の名前を合わせると「再会」「統一」といった意味になる。団団と円円の間には雌のパンダ2頭が生まれた。

 中国の「パンダ外交」では通常、パンダは貸与されるだけで、国外で繁殖に成功した場合も数年以内に中国に返還しなければならない。ただ、団団と円円は、贈呈当時の馬英九(Ma Ying-jeou)政権が親中派だったことから例外を認められ、生まれた子も含めて台湾に寄贈された。(c)AFP