【11月16日 AFP】サッカードイツ代表が、1週間後にW杯カタール大会(2022 World Cup)初戦の日本戦を迎える中、ベルリンのサッカーバー「ファーゴ」のプロジェクタースクリーンが、いつものように下ろされることはない。

 普段はサッカーの試合に合わせて店を開けるファーゴだが、日本戦の日は、試合終了から1時間後まで開店しない。その理由について、店の広報を務めるヨシク・ペヒさんは、「われわれは、明らかにスポーツウオッシングを目的とし、実際と異なる姿を国外に見せようとしている国でW杯が開催されることに納得していない」と話す。

「性別によっては自由に生きられない場所だと知りながら、試合観戦を楽しむ気にはなれない」

 サッカー好きの多いドイツにとって、普段であればW杯はお祭りだが、今回はファーゴのように大会ボイコットを宣言するバーが、首都ベルリンの数軒を含めてドイツ中にいくつもある。カタールは批判に激しく反発するが、移民労働者と女性、LGBTQ(性的少数者)に対する同国の扱いは、W杯の準備期間中から大きな注目を集めてきた。

 他にもブランデンブルク門(Brandenburg Gate)前の有名な「ファンマイル」など、いくつかの場所ではパブリックビューイングが中止になった。公式には天候とエネルギーコスト、新型コロナウイルス感染のリスクに対する懸念が理由とされている。

 ドイツのサッカーファンの中には活動家的な文化もあり、そうした活動のメンバーはとりわけカタールW杯に批判的だ。バイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)やボルシア・ドルトムント(Borussia Dortmund)、ウニオン・ベルリン(1. FC Union Berlin)、ザンクトパウリ(FC St. Pauli)といった有名クラブのサポーターは、大会ボイコットを求めている。