【11月17日 CGTN Japanese】今年に入って、原子力エネルギーによる暖房供給が中国の多くの地域で始まり、住民に暖房サービスを提供しています。

 中国東部の沿海地区に位置する山東省(Shandong)海陽市(Haiyang)では、「暖核1号」原子力暖房プロジェクトがこのほど低温試験稼働を始めました。これは中国国内で最大規模の原子力暖房プロジェクトで、都市部の500万平方メートル近くをカバーし、20万世帯の住民に暖房サービスを提供できます。

 一方、東北部の遼寧省(Liaoning)大連市(Dalian)では、紅沿河原子力発電所の原子力暖房モデルプロジェクトがすでに稼働しています。同プロジェクトは中国東北地区における初の原子力暖房プロジェクトで、設計暖房供給面積は24万2400平方メートルに上り、現地の2万世帯近くの住民に冬の暖房供給を行います。

 また、東部沿海地区の浙江省(Zhejiang)海塩県(Haiyan)では、中国南方初の原子力暖房モデルプロジェクトである秦山原発の原子力暖房モデルプロジェクトが建設中で、2025年末までに完成し稼働する予定です。約400万平方メートルの地域に暖房を供給し、標準石炭使用量を年間約2万4600トン削減できると見込まれています。

 原子力を熱源とする暖房供給は、原子力発電所で海に排出する熱を専門的な熱交換処理を通じて、暖房供給パイプを経由してユーザーの家までに運び、余分な熱源を無駄にしない仕組みとなっています。原発の熱効率を高めるだけでなく、原子力全体の利用率を向上させることができます。(c)CGTN Japanese/AFPBB News