【11月19日 AFP】環境活動家が有名絵画を標的にして気候変動に警鐘を鳴らす抗議行動を相次いで起こしている。こうした活動家に影響を与えているのが、気候変動危機を訴える団体「絶滅への反逆(Extinction Rebellion)」だ。

 同団体の共同設立者で科学者でもあるゲイル・ブラッドブルック(Gail Bradbrook)氏は、世界の気候や生物多様性を崩壊させかねない「ポリクライシス(複合危機)」について注意喚起するために、過激なアクションは必要だと主張する。

 国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)開催に合わせ、ブラッドブルック氏にインタビューした。

■過激なアクションは気付きを促す

Q:最近、気候変動対策を訴える人々がビンセント・ファン・ゴッホ(Vincent van Gogh)やクロード・モネ(Claude Monet)などの絵画にスープを浴びせ、マッシュポテトを投げ付けるなどのアクションを起こしている。ショッキングな戦術は有効なのだろうか。

A:重要な話を伝えようとしないメディアに慣れ切った環境で注目を集めるのは難しい。だからこそ人々は、思い切って危険でとっぴな行動に出ている。これは主流派の意識に訴え掛けるアジテーションだ。英ブリストル大学(University of Bristol)のコリン・デービス(Colin Davis)氏の研究によると、こうした活動家は相手にされないかもしれないが、問題への関心は高まる。つまり、気付きを促すためには有効だ。

 次に、世の中の人々に対し、変革は可能であると奮い立たせ、そして最終的に変革を実現するため共に行動する。私たちは経済の仕組みを変え、民主主義を向上させる必要がある。

 こうした問題のしわ寄せを受ける先住民が自分たちの土地を守ろうとして最前線で命を落とすのを傍観してはならない。活動家任せでもだめだ。私たち一人一人が問題に取り組む必要がある。

 私たちの社会の制度全体が搾取の上に成り立っている。特に、南半球の途上国に住む人々に対する搾取ありきの制度だ。これは終わらせなければならない。