【11月15日 AFP】20日に開幕するW杯カタール大会(2022 World Cup)で、日本は優勝経験のある欧州の強豪スペインとドイツ、さらにコスタリカとグループEで対戦する。

 今回のW杯で、過去の王者2か国が同居するのはこのグループのみ。多くの人がスペインとドイツが2位までに入り、決勝トーナメント進出を果たすだろうと予測する中で、日本はコスタリカとともに番狂わせを狙う。

 スペインとドイツは、前回ロシア大会(2018 World Cup)でそれぞれベスト16、グループリーグ敗退と結果を残せなかったが、カタール大会開幕を前にした期待は非常に高い。両チームの直接対決は27日に組まれている。

 優勝4回を誇るドイツは、前回優勝国として臨んだロシア大会は最下位でグループ敗退。ドイツが最初のラウンドで敗退したのは1938年大会以来で、W杯史に残るショッキングな出来事となった。

 ヨアヒム・レーブ(Joachim Loew)監督の下、2014年のブラジル大会(2014 World Cup)では有名なブラジルとの準決勝に7-1で大勝し、決勝でもリオネル・メッシ(Lionel Messi)を擁するアルゼンチンを退けて優勝を果たしたドイツだが、昨夏の欧州選手権(Euro 2020)もイングランドに敗れてベスト16止まりだった。

 しかし大会後、レーブ体制に終止符を打ってバイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)を率いたハンジ・フリック(Hansi Flick)監督を招へいすると、チームはようやく活気を取り戻し、現在はハイプレス、高強度のサッカーを見せている。バイエルンのサージ・ナブリー(Serge Gnabry)とジャマル・ムシアラ(Jamal Musiala)、チェルシー(Chelsea)のカイ・ハヴァーツ(Kai Havertz)といった生きのいい選手に加え、ヨシュア・キミッヒ(Joshua Kimmich)やトーマス・ミュラー(Thomas Mueller)といった実績十分の面々もいる。

 スペインも似たような立ち位置で、ペドリ(Pedro Gonzalez Lopez 'Pedri’)やガビ(Pablo Martin Paez Gavira 'Gavi')、アンス・ファティ(Ansu Fati)といった若手とセルヒオ・ブスケッツ(Sergio Busquets)やアルバロ・モラタ(Alvaro Morata)らベテランが融合したメンバーだ。

 W杯では、2010年の南アフリカ大会(2010 World Cup)で初優勝を果たし、準決勝ではドイツを下した。2008年の欧州選手権(Euro 2008)でも、決勝でドイツを撃破して優勝している。

 ルイス・エンリケ(Luis Enrique)監督が率いる現在のチームは、2020年11月のUEFAネーションズリーグ(UEFA Nations League 2020-21)の試合で、フェラン・トーレス(Ferran Torres)がハットトリックを達成するなどしてレーブ体制のドイツに6-0で圧勝した。

 しかしネーションズリーグでは、決勝でフランスに敗れて準優勝となり、昨年の欧州選手権も準決勝でイタリアに屈した。そのためファンは、2008年から2012年の黄金時代以来のタイトルに飢えている。

 スペイン代表が最後に国際大会のトロフィーを掲げたのは2012年の欧州選手権で、王者として臨んだW杯ブラジル大会は、グループリーグ敗退というふがいない結果に終わった。ロシアでもさほど勝ち進めず、大会直前にレアル・マドリード(Real Madrid)の新指揮官就任が発表されたフレン・ロペテギ(Julen Lopetegui)監督が解任されると、決勝トーナメント1回戦で開催国ロシアにPK戦の末に敗れた。

 エンリケ監督に対する国内の評価は、一部の選手選考をめぐって割れているが、結果は十分に出ている。こちらもハイプレスとボール保持の戦術を志向する。