【11月9日 AFP】仏検察は8日、1980年代に14歳の少女に対して「非難されるべき」行為をしたと公に認めたローマ・カトリック教会のジャンピエール・リカール(Jean-Pierre Ricard)枢機卿に対する捜査を開始したことを明らかにした。

 元司教のリカール師は2006年、前教皇ベネディクト16世(Benedict XVI)によって枢機卿に任命された。

 フランス司教協議会(Bishops' Conference of France)は7日、同師を含む現・元司教11人が過去に性的虐待に関与していた疑いがあると発表。リカール枢機卿は同協議会の会合で読み上げられた書簡で、「私は司祭だった35年前、14歳の少女に対し非難されるべき行動をとった。私の行為がその人に深刻で長期的な影響を与えたことは疑いがない」と告白した。

 フランスでは通常、強制性交などの重罪には30年の公訴時効期間が設けられているが、被害者が未成年だった場合、この期間は延長されることもある。

 事件が起きた場所とされる仏南部マルセイユ(Marseille)のドミニク・ロレンス(Dominique Laurens)検察官はAFPに対し、「事実関係を検証するための予備捜査が開始された」と説明した。マルセイユの司法筋によると、検察当局は先月24日、リカール枢機卿から少女に「キスをした」と告げられたニース(Nice)の司教から通報を受けていた。(c)AFP