【11月7日 AFP】インドに拠点を置くハッカー集団が、サッカーW杯カタール大会(2022 World Cup)に批判的な人々を標的にハッキングを行っていることが、英国の記者の調査で明らかになった。カタール政府は関与を強く否定している。

 英紙サンデー・タイムズ(Sunday Times)と非営利団体「調査報道局(BIJ)」は6日、両者にリークされたデータベースを確認したところ、10人以上の弁護士と記者、著名人が2019年から、「特定の単独のクライアントの依頼によって」ハッキングされていることが分かったと発表した。

 両者は「今回の調査から強く指摘されるのは、このクライアントがW杯の開催国、すなわちカタールだということである」とコメント。カタール当局はこれをすぐさま否定し、「明らかな虚偽で、何のメリットもない」主張だと述べた。

 標的にされた中には、欧州サッカー連盟(UEFA)前会長のミシェル・プラティニ(Michel Platini)氏もいた。サンデー・タイムズは、ハッキングを指揮したのは31歳の会計事務所職員だと主張しているが、当該の人物は関与を否定している。

 攻撃対象はカタールW杯に関心のある人物にとどまらず、ハッカー集団は「独裁国家や英国の弁護士、彼らの裕福なクライアントの下で働く調査員の代理として」、合計で100人以上の私的なEメールアカウントをハッキングしたという。(c)AFP/Helen ROWE