【11月6日 AFP】今月開幕するサッカーW杯カタール大会(2022 World Cup)の主催者が、各国のファンを雇ってカタールとそれぞれの国を応援させようとし、一部のサポーターからひんしゅくを買っている。

 サポーターの説明やAFPが確認した資料によると、ファンはホテルの無料宿泊や試合の観戦チケット、日当を受け取る代わりに、開会式を盛り上げ、開催国カタールについて好意的なコメントをSNSに投稿するよう求められている。

 大会主催者も、出場32か国のファンに見返りを支払ってW杯に参加してもらおうとしていることを認めたが、「組織的なプロモーション」のためだという報道は「まったくのでたらめ」だと否定した。

 カタールは、多数のサッカー系ブロガーとインフルエンサー、ファン団体のリーダーに接触し、「ファンリーダー」となるよう持ちかけた。

 2021年にカタール側と接触したフランスのファン団体の広報は「資料を読んで気分が悪くなった」と話し、「彼らが求めていたのは、フランスのファンのインフルエンサーとなって彼らを宣伝し、W杯を売り込むことだった」と明かした。

 他のグループも違和感を覚えている。別のサポーターネットワークに所属する人物は、「一つ確かなのは、多くの人が断ったということだ」と話し、カタール側の提案は「真のファン文化からかけ離れている」と続けた。

 しかし主催者によれば、59か国の450人以上のファンが契約を交わしたという。(c)AFP/Cyril TOUAUX, Antoine MAIGNAN