【11月5日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)がW杯カタール大会(2022 World Cup)の出場チームに書簡を送り、「サッカーに集中」して「道徳的教育を施す」のをやめるよう呼び掛けた。これに対し、国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)」から厳しい非難の声が上がっている。

 カタールが外国人労働者の扱いや、LGBTQ(性的少数者)や女性の権利をめぐって強い批判にさらされている中、FIFAのジャンニ・インファンティーノ(Gianni Infantino)会長とファトマ・サムラ(Fatma Samoura)事務総長は、W杯に出場する32チームに送った書簡で「どうか、今はサッカーに集中しよう!」と促した。

「われわれはサッカーが独立して存在していないことを分かっており、それと同時に世界中において政治的性質による多くの課題や困難があることも承知している」

「しかし、サッカーがあらゆるイデオロギーや現在起きている政治的紛争に引き込まれないようにしてもらいたい」

 英衛星放送スカイニューズ(Sky News)で明らかにされたこの書簡について、FIFAは送付していたことをAFPの取材で認めた。

 これに対してアムネスティはFIFAを強く批判し、人権問題に真剣に取り組むよう要求。こうした批判の声が高まる中、サムラ事務局長はW杯が「サッカーの祭典」として行われ、「人種や宗教、そして社会的および性的指向は関係なく、皆さんを大歓迎する。カタールの人々は可能な限り最高のもてなしで、あなた方を迎える準備ができている」と述べた。(c)AFP