【11月5日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)の伝説的ドライバー、ミハエル・シューマッハ(Michael Schumacher)氏が2003年シーズンのタイトルを獲得した際に駆っていたフェラーリ(Ferrari)のマシンが、競売大手サザビーズ(Sotheby’s)が9日にスイス・ジュネーブで開催するオークションに出品されることになった。

 サザビーズの「ラグジュアリー・ウイーク(Luxury Week)」で競売にかけられるフェラーリの「F2003-GA(シャシー番号229)」は、750万スイス・フラン(約11億円)から950万スイス・フラン(約14億円)で落札されると予想されている。

 このマシンについてサザビーズは「F1史上最も重要な車の一つ」と評価。今回のラグジュアリーカー・セールスの担当者はAFPの取材に対し「フェラーリの歴史において最も勝利を記録したマシンの一つであることから、モーターレースの歴史において最も重要なものだ」と述べた。

 計6台造られた「F2003-GA」は2003年の第5戦スペインGP(Spanish Grand Prix)で最初に導入され、中でもシューマッハ氏が同年計9回駆った「シャシー番号229」は、同GPをはじめオーストリア、カナダ、イタリア、そして米国の各GPを制して最も成功したマシンとなった。

 日本GP(Japan Grand Prix)で2003年シーズンのドライバーズ選手権制覇を確定させたシューマッハ氏は同年計6勝を飾り、1950年代にファン・マヌエル・ファンジオ(Juan-Manuel Fangio)が打ち立てたそれまでの歴代最多5勝を更新した。

 息子で現役F1ドライバーのミック・シューマッハ(Mick Schumacher)は、フェラーリのテストコースであるフィオラーノ・サーキット(Fiorano Circuit)で、3リッターV10エンジンを搭載したこのマシンを周回。「このマシンで走るのは本当に喜びだ」とし、「最高の音を出し、最高のドライビングをしていた時代のマシンだ」と語った。(c)AFP/Elodie LE MAOU, Agnès PEDRERO