【11月3日 AFP】米大手薬局チェーンのCVSヘルス(CVS Health)とウォルグリーンズ(Walgreens)は2日、オピオイド系鎮痛剤乱用問題をめぐる訴訟で、州や市、先住民部族などの自治体に対し計100億ドル(約1兆5000億円)以上を支払う和解案で暫定合意したと発表した。

 米国では、処方薬のオピオイド乱用により過去20年間で50万人以上が死亡しており、遺族や地方自治体による製薬会社や流通業者、薬局の提訴が相次いでいる。CVSとウォルグリーンズが合意した和解額は、これまで薬局チェーンが応じてきた支払額を大幅に上回るものとなった。

 両社はオピオイド乱用防止に向けた対応が不十分だったとして提訴されたが、薬局は正当な処方箋に基づいた調剤が求められているとして責任を否定。今回の暫定合意に当たっても、和解は自社の「不正行為や責任を認めるものではない」と強調した。

 CVSは2023年から10年間にわたり、州や郡、市、先住民部族に対し50億ドル(約7400億円)を支払う。ウォルグリーンズは今後15年間で州に約48億ドル(約7100億円)と先住民部族に1億4450万ドル(約210億円)、6年間で弁護士費用として7億5350万ドル(約1100億円)を支払うとしている。

 今回の合意当事者には民間の原告は含まれない。両社は、他の訴訟については今後も争う意向を示した。

 米通信社ブルームバーグ・ニュース(Bloomberg News)はさらに、小売り大手ウォルマート(Walmart)も数十億ドル規模の暫定合意に達したと報じたが、同社の広報担当者はこの件に関するコメントを控えた。(c)AFP