【11月2日 AFP】中国証券監督管理委員会(証監会、CSRC)の方星海(Fang Xinghai)副主席は2日、香港で開催中の国際金融サミットへの動画メッセージで、中国経済に関する外国メディアの報道に過度に接しないよう投資家に呼び掛けた。

 方氏は「日々の職務で外国の投資家と接しているが、中には中国の出来事に関する国際メディアの報道を読み過ぎている人がいると懸念している」と述べた上で、「多くのメディア報道は、つまり、中国をあまりよく理解しておらず、近視眼的でもある。国際メディアを読み過ぎない方がいい」との見解を示した。

 政治不安や新型コロナウイルス感染拡大による規制で、ビジネス環境が整備されているとのイメージを持たれてきた香港の信頼性は低下した。こうした中で開催された国際金融サミットには、米金融大手ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)、モルガン・スタンレー(Morgan Stanley)、英金融大手HSBCなどの幹部が参加した。

 スイス金融大手UBSのコルム・ケレハー(Colm Kelleher)会長はパネルディスカッションで、方氏の見解を支持し、「方副主席が言ったように、われわれは米国の報道を読んでいない。方氏の主張を信用する」と述べた。

 中国の四大商業銀行の一つである中国銀行(Bank of China)の劉金(Liu Jin)頭取は、不動産市場の負債問題に関するコメントの中で方氏の発言に触れ、「過度に心配することはない。方氏が言ったように、否定的な報道にはあまり接しない方がいい」と述べた。

 過去1年半の間に中国の不動産部門では巨額の債務不履行が表面化し、多くは国際メディアが先駆けて報道した。中国の国内メディアは政府統制下にあり、否定的な論調や重要問題に関する報道を封じるための検閲が広く行われている。(c)AFP