【11月3日 CNS】先日、中国国務院第7回全国国勢調査指導グループ弁公室が作成した「2020年中国国勢調査県別資料」では、2020年の全国各県単位の人口数、人口構成、世帯居住状況など多くの指標が発表された。郷鎮・街区レベルにおける省外の戸籍登録地の外来人口データもそのうちの一つだ。

 第一財経(China Business Network)がそのデータをもとに整理した結果、2020年時点で計21の県域の省外からの流動人口は20万人を超え、すべて東部沿岸地区の人であることがわかった。中でも義烏市(Yiwu)、昆山市(Kunshan)、慈渓市(Cixi)、晋江市(Jinjiang)の四つの県級市は、県外からの流入人口が70万人を超え、他のどの県よりも圧倒的に多く、全国でトップクラスに位置づけられる。同時に、この四つの県級市は、いずれも都市人口が100万人を超える、大都市の部類に入る県級市だ。1位の義烏は省外からの流入人口が88万人に達し、約2人に1人が県外からの流入となっている。

 義烏市は「世界の小商品の首都」として、多くの商人が集まっている。データによると、義烏市の所在地である浙江省(Zhejiang)外からの流入人口は88万人に達し、同市の常住人口に占める割合は47.3%と高く、約2人に1人が省外から来ていることになる。

 データによると、2021年時点で義烏は、年間輸出入総額が3903億500万元(約7兆9109億円)で、これは24.7%の増加にあたり、そのうち輸出額は3659億1200万元(約7兆4165億円)で、21.8%の増加を達成した。年間の電子商取引(eコマース)による取引額は、3715億500万元(約7兆5298億円)で、前年同期比18.9%増となった。

 昆山市は所在地である江蘇省(Jiangsu)外からの流入人口が2番目に多く、78万3000人で、同市の常住人口の37.4%を占める。一方、昆山市の常住人口のうち32万4000人は省内の他の県から来た人たちだ。この2つを合わせると110万7000人となり、常住人口の半分以上を占めることになる。

 昆山市は「中国最強の県」と呼ばれ、GDPは18年連続で県レベルトップの座にいる。2021年末には1000億クラスのIT(通信機器、コンピューター、その他電子機器)産業クラスター、そして、12もの100億クラスの産業クラスターを有している。

 浙江省慈渓市と福建省(Fujian)晋江市の省外からの流入人口も、いずれも70万人を超えている。このうち、慈渓市の省外からの流入人口は77万8000人で、同市の常住人口の42.5%を占めている。

 晋江市は「中国の靴の首都」と呼ばれ、靴製造業界では安踏(Anta)、361°(361度国際)、特歩(XTEP)、鴻星爾克(ERKE)などの有名スポーツブランドを次々と輩出している。また、アパレル産業でも、同市は多くの有名ブランドや、恒安集団(Hengan)などの大手生活用製紙企業を有している。

 義烏、昆山、慈渓、晋江以外の県は、県域の省外からの流入人口はいずれも50万人を下回っており、そのうち常熟(Changshu)、余姚市(Yuyao)、瑞安市(Ruian)、楽清市(Yueqing)が40万人を超え、それぞれ5〜8位にランクインしている。(c)CNS-第一財経/JCM/AFPBB News