【11月2日 AFP】ドイツ政府高官は1日、セルビアに対し、欧州連合(EU)とロシアのどちら側につくかを決める必要があるとして、ロシアとの関係を深めれば、EUへの加盟交渉が頓挫する可能性もあると警告した。

 高官は、独ベルリンで3日に西バルカン諸国首脳会議が開催されるのを前に匿名を条件に取材に応じ、「セルビアとの関係は複雑だ。光も影もある」「セルビアのロシアとの関係は間違いなく影の部分だ」と指摘した。

 続けて、セルビアのアレクサンダル・ブチッチ(Aleksandar Vucic)大統領が「欧州への道を選べば、EU全体と独政府の支持を得るだろう」「別の道を選ぶなら、(セルビアとEUの将来に関わる)結果を招くことになるだろう」と語った。

 セルビアは2012年にEU加盟候補国となったが、隣国コソボとの関係が正常化しない限り、加盟が実現する可能性は低い。アルバニア系住民が多数を占めるコソボは2008年にセルビアから独立を宣言したが、セルビアは認めていない。

 セルビア人の多くが歴史的につながりが深いロシアに好意的で、セルビア政府は国連(UN)のロシアによるウクライナ侵攻を非難する決議には賛成したが、欧州の対ロシア制裁には加わっていない。(c)AFP