【11月2日 AFP】北欧スウェーデンのウルフ・クリステション(Ulf Kristersson)新首相は1日、同国の北大西洋条約機構(NATO)加盟が実現した場合、自国内への核兵器の配備を容認する用意があると述べた。前政権からの方針転換となる。

 2週間前に就任したばかりのクリステション氏は、同じくNATO加盟を申請しているフィンランドのサンナ・マリン(Sanna Marin)首相と、同国の首都ヘルシンキで共同記者会見に臨んだ。

 自国内への核兵器配備を受け入れるかとの質問に対し、マリン氏は「いかなる前提条件も付けるべきではない。何についてであれ未来への扉を閉ざすようなことはしないと決めている」と答えた。

 クリステション氏は「フィンランド首相とまったく同意見だ」「スウェーデンとフィンランドがこうした問題について共同歩調を取るのは至極当然のことだ。その意味でも、フィンランドと協力していくことしか念頭にない」と語った。

 ただ両氏は、条件に関して「いずれ」取り決められる余地があるとも述べた。

 スウェーデンが今年5月にNATO加盟を申請をした時の政権与党、社会民主労働党は、領土内への核兵器の配備やNATOの恒久的な基地の設置をめぐる問題については、留保する考えを示していた。

 フィンランドは、核兵器の輸入、製造、保有、使用を法律で禁止している。

 北欧のNATO加盟国であるデンマークとノルウェーはいずれも、平時に外国が国内に恒久的な基地を設置したり、核兵器を配備したりすることを認めていない。(c)AFP