【11月1日 AFP】割れた眼鏡や汚れたぬいぐるみ、血が付着した運動靴──。韓国警察は1日、首都ソウルの繁華街・梨泰院(Itaewon)で起きた雑踏事故の現場に残された遺留品など、計1.5トンに及ぶ物品を公開した。

 事故後に一時的に遺体が安置された体育館では、犠牲者らの所持品が整然と並べられている。家族に引き渡される予定で、現場の当局者はAFPに対し、「何人かの遺族が来て、涙ながらに現場を後にした」と語った。

 体育館に並べられたのは、ハロウィーンの衣装など服260点前後や靴256足のほか、ヘッドホンやスマートウオッチといった電子機器など。踏まれて汚れたり、血が付着したりしたものもある。

 ソウル地方警察庁の幹部はAFPに、「犠牲者の所持品である可能性もあり、できるだけ多くを回収した」と述べた。

 犠牲者の多くは20代で、新型コロナウイルスの感染拡大により学業が影響を受けた世代だった。大半の学生にとって、ハロウィーンのイベントは久しぶりに友人とお祭り騒ぎに繰り出せる機会だった。

 ある学生のぼろぼろになったノートには、「6月から11月まで、授業開始は9時」と記された付箋が挟まれていた。ノートは踏まれ、汚れた足跡が残っていた。(c)AFP/Claire LEE