【11月2日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇(Pope Francis)が、金曜日に肉類を食べない習慣の復活を信徒に呼び掛ければ、世界全体で炭素排出量を減らすことができるかもしれない。英研究者が1日、明らかにした。

 金曜日に肉類を食べない「小斎」はキリスト教の最も古い習慣の一つだが、1960年代のローマ教皇庁(バチカン)による改革で、義務ではなくなった。

 英イングランドとウェールズの司祭らが2011年、小斎の復活を呼び掛けたことがあり、今回ケンブリッジ大学(Cambridge University)の研究者らがこの影響を調べた。

 具体的には、イングランドとウェールズで行われた食生活に関する公衆衛生調査の結果を分析した。

 その結果、呼び掛けを受け食生活を変えたカトリック教徒は約4人に1人だったものの、排出量が毎年5万5000トン以上削減されたことが分かった。

 筆頭著者でケンブリッジ大学のショーン・ラーコム(Shaun Larcom)氏(土地経済学)は、食肉用の畜産で大量の温室効果ガスが排出されると指摘。ローマ教皇が世界中のカトリック教徒に対し、金曜日の肉食禁止義務の復活を求めれば、低コストで排出量を大幅に削減できると説明した。

 金曜日に肉類を避けるカトリック教徒がほんのわずかだったとしても、温室効果ガス削減効果は大きいという。

 研究者によると、米国のカトリック教徒は小斎を極めて厳格に守っていたことから、米飲食大手マクドナルド(McDonald's)の「フィレオフィッシュ」が誕生した。

 研究結果は、研究発表ネットワーク「ソーシャルサイエンス・リサーチ・ネットワーク(Social Science Research Network)」に掲載された。(c)AFP