【11月1日 AFP】(写真追加)韓国の警察トップは1日、ソウルの繁華街・梨泰院(Itaewon)で起きた雑踏事故について、事故直前に危険を伝える複数の通報を受けていたとし、警察の対応は「不十分だった」と認めた。

 10月29日夜遅くに起きた事故では、若者を中心に少なくとも156人が死亡、多数が負傷した。

 梨泰院には当時、ハロウィーンを前に推定10万人が集まっていた。しかし、特定の主催者がいる「公式」イベントではなかったため、警察も自治体も積極的に歩行者の誘導などはしていなかった。

 ハロウィーンイベントは群衆の安全管理が必要な「祭典」ではなく、「事象」だと認識されていた。

 警察庁の尹熙根(ユン・ヒグン、Yoon Hee-keun)長官は「事故の直前、現場の深刻な状況を示唆する通報が複数寄せられていた」と指摘。事故前から大勢が集まっており、危険な状況だったことを警察は把握していたとし、対応は「不十分だった」と述べた。

 警察によると、ハロウィーン前で人が集まるのが予想されたことから、梨泰院には警察官137人が配置されていた。一方、韓国メディアは、市内の別の場所で行われていた参加者約2万5000人の抗議デモには、警察官6500人が配置されていたと報じている。(c)AFP/Cat Barton and Sunghee Hwang