【11月1日 AFP】地球の公転軌道と軌道が交差する可能性がある小惑星が、新たに発見された。遠い将来、壊滅的な衝突が起こる確率がわずかだがあるという。10月31日、学術誌「アストロノミカル・ジャーナル (The Astronomical Journal)」に研究論文が掲載された。

 小惑星は直径1.5キロ前後で、2022 AP7と名付けられた。太陽の周りを5年かけて回っている。

 論文の筆頭著者である米カーネギー研究所(Carnegie Institution for Science)の天文学者スコット・シェパード(Scott Sheppard)氏は「2022 AP7の軌道は地球の軌道と交わっており、潜在的に危険な小惑星であると言える」と説明。ただし、「現在もしくは近い将来、地球と衝突することはない」としている。

 軌道周回する天体は、惑星などのさまざまな重力の影響で軌道が徐々にずれていく。そのため将来的に危険になることもあるが、長期的な予想は難しい。

 複数の観測所が参加する研究グループ、米国立光学・赤外天文学研究所(NOIRLab)は、2022 AP7は「地球に危害を及ぼす恐れがある天体としては、過去8年で最も大きい」としている。

 シェパード氏によると、衝突が起きた場合、大気中に舞い上がった粉じんで地球が冷やされ、過去数百万年の間に起きたことがない規模で動植物が絶滅する恐れがある。(c)AFP