ロシアに踏みとどまるリベラル派弁護士 仲間の大半は国外追放
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■「ここには助けたい人々がいる」
わずかながら残った、公然と政権を批判していた政治家も排除された。多くの弁護士仲間もいなくなり、後に残ったエイスモント氏が裁判を引き受けている。ウクライナ侵攻以降は、やむを得ずロシア経由で避難を試みるウクライナ人を70人以上支援してきた。
そうした難民、あるいは国外追放されたリベラル派の弁護士仲間の後を追ってロシアを離れる気はないのかと聞くと、「ここには助けたい人々がいるんです」とエイスモント氏は答えた。たとえ自分が弁護を担当する人々にほとんど勝ち目がないとしても、勝ち負けは問題でないと言う。
その理由を説明するために、エイスモント氏は荒涼としたロシア北部の片田舎の小さな町で長年、滑走路のメンテナンスをしていた空港職員の話をした。ある日、空港に飛行機が緊急着陸したが、その職員が日々作業を続けていたことから何十人もの命が救われたという内容だった。
「物事が良い方向へ向かうよう、常に準備しておかなければなりません」とエイスモント氏は言った。
「たとえ誰も気にかけることがなかったとしても、人権の尊重を要求し続けなければなりません。ロシアで正義が回復したとき、私たちは再びそのすべを必要とするでしょう」 (c)AFP/Romain COLAS
